当院の胃カメラはハイビジョン規格で、画面も明るく視野が広く、わかりやすい画面のため、短時間で検査がすみます。
- 文字サイズ
- 小
- 中
- 大
胃カメラ・ピロリ菌除菌
胃内視鏡検査(胃カメラ)は、先端にCCDカメラを装着した細い管(内視鏡スコープ)を口または鼻から挿入し(当院は口からの内視鏡です)喉、食道、胃、十二指腸を観察する検査です。この検査では、がんやポリープ、潰瘍、炎症、胃粘膜の萎縮などの有無や程度、ピロリ菌感染の有無を調べます。
検査の流れ
-
まず、医師の診察を受けていただきます。
問診では、現在の症状や胃カメラの経験の有無とそのときの様子、過去の病気や服用している薬、アレルギーについてなどをお伺いします。 -
胃の中の泡や粘液をきれいにするお薬を飲んでいただきます。
-
喉に麻酔のゼリー(キシロカインビスカス)を5分間貯めておいていただきます。ゼリーを貯めるのが困難な場合は、スプレーの麻酔を追加させていただきます。
-
胃の動きを抑える薬を注射します。
-
マウスピースをくわえていただいて、検査スタートです。喉まで進んだらカメラを飲み込んでいただきますが、無理に飲み込もうとしなくてもタイミングを合わせていただけばスムーズに入っていきます。
内視鏡が入っているので、常に喉にものがはさまっている感じがして違和感はありますが、決して痛い検査ではありません。検査中はできるだけ全身の力を抜いて、ゆったりとした気持ちで受けてください。楽に検査を受けられるよう事前に検査中のちょっとしたコツのお話をさせていただいています。検査時間は5分程度です。 -
検査が終わったら、口をすすいでいただきます。検査結果と検査後の注意事項のお話を聞いて終了になります。ピロリ菌の検査結果は1時間、細胞の組織検査(生検)結果は2週間かかります。
当院の胃カメラの特徴
-
-
炭酸ガス通気を行っているので、検査後もあまりお腹が張りません。
-
嘔吐反射が強い方、不安が強い方には、鎮静での検査も行っております。予約時にご相談ください。
ピロリ菌について
ピロリ菌の感染経路は現在のところ完全にわかってはいませんが、親子間などの口~口感染により、免疫力の弱い乳幼児期に多く起こると推測されています。また、衛生環境がピロリ菌感染に関係していることがわかっていて、上下水道の完備など生活環境が整備された現在の日本では生水を飲んでピロリ菌に感染することはありません。わが国のピロリ菌の感染率は60歳以上では80%ですが、10代以下の感染率は10%以下になっています。
ピロリ菌は胃粘膜に炎症を引き起こし、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎を生じさせます。ピロリ菌がいる限り炎症が続くため、萎縮性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫などの病気を引き起こします。そして、長期にピロリ菌に感染した胃粘膜にがんができやすいこともわかっており、ピロリ菌感染歴のある人はピロリ菌の感染を受けていない人の150倍くらい胃がんになりやすいと言われています。ピロリ菌感染による疾患を回避するために、積極的除菌が推奨されています。
ピロリ菌除菌
ピロリ菌除菌前には、胃カメラの検査を受け、実際ピロリ菌に感染しているのか、潰瘍はないか、すでに胃がんが発生していないかを確認してから、除菌を開始します。
除菌治療薬(抗生剤2種類と胃酸を抑える薬)を1週間内服していただき、その4~6週間後に除菌の判定の検査(呼気テスト)を行います。正しくお薬を服用すれば除菌の成功率は75%です。今回内服した抗生剤に耐性を持った菌の場合、不成功となりますが、抗生剤を変更した2次除菌ができます。1次・2次除菌を合わせると95%以上が除菌に成功します。現在では新規の胃酸分泌抑制剤を使うことで、更に高率の除菌成功率を得ることができるようになっております。
ピロリ菌除菌に成功すると、胃がんになるリスクは3分の1に低下します。しかし、未感染者と比べるとまだ50倍くらい胃がんになりやすい状態であり、除菌時に胃粘膜の萎縮が強いほど、その後のがん発生率が高くなっています。
当院では、各人の胃粘膜の状態に応じて除菌治療後も1~3年毎、定期胃カメラを実施し、早期胃がんの発見に努めています。